巻頭言

 

情報科学研究科のさらなる飛躍

研究科長  尾上 孝雄

 平成14年4月に創設された情報科学研究科も、まもなく14年を迎えようとしています。この間、研究科構成員全員の弛まぬ努力、また、研究科に対してお寄せいただいております多大なご支援、ご鞭撻のもとで着実な発展を遂げることができました。平成27年度は研究科にとって特に喜ばしいことがあった一年でした。

 平成27年5月に、永年の悲願であった情報系基礎研究・福利厚生複合棟(情報科学C棟)が竣工し、研究科創設14年目にしてようやく全構成員が一同に会して教育研究を遂行する環境が整いました。このC棟には、これまで理学研究科に在住していた情報基礎数学専攻の研究室も移転し、本研究科の基本理念である「情報数学の基礎や応用から、情報科学の理論、基盤技術と応用システム、さらにはバイオ情報工学を始めとする融合領域まで、幅広い分野をカバーする」教育・研究をますます活発に行なうことが可能となりました。

 この建物には、学生食堂、レストラン、コンビニエンス・ストアなどの福利厚生施設も併設され、研究科構成員の利便性が格段に向上するとともに、近隣部局の教職員・学生も多く集まり、研究科キャンパスが活気にあふれています。

 また、平成27年8月26日より、創設時からさまざまな面で本研究科を牽引頂いていた西尾章治郎教授(元研究科長)が、第18代大阪大学総長に就任されました。情報科学研究科にとっては、第15代総長に宮原秀夫先生が就任されて以来の慶事となります。グローバル化の波が急速に押し寄せるなか、国立大学法人には大きな転換が求められており、西尾先生にはその比類なきリーダーシップにより大阪大学を更なる発展・進化へと導いていただきたく、出身母体である情報科学研究科でも構成員一同そのサポートに全力をつくす所存です。

 教育・研究の実践面では、本研究科が中心となって進めてきている2つの大型プロジェクト「分野・地域を越えた実践的情報教育協働ネットワーク(enPiT)」、「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム(HWIP)」がともに高い評価を受けました。

 enPiTについては、井上克郎教授(前研究科長)を中心に、本研究科が4分野、15連携大学、94参加大学、130連携企業の代表として活動しており、平成27年度には約500名の修了生を輩出します。平成28年度以降は、対象者を学部学生にまで拡大し、またサイバー・セキュリティなど、最新のトピックが拡充される予定です。

 生命機能研究科、基礎工学研究科と協力して遂行しているHWIPについては、清水浩教授(プログラム・コーディネーター)、特任教員の先生方、関係教職員の皆様の多大なご尽力で、国内外の各機関、産業界の協力も得つつ、融合分野での卓越したリーダー人材の育成に務めています。研究科を跨いだ多くの融合研究を進めていることと、座学とグループワークを効果的に組み合わせ融合研究能力の習得を進める講義を導入していることなどを高く評価いただき、今後への期待を込めて最高評価を頂きました。

 折しも平成28年度から5ヶ年間の政府の科学技術振興策を纏めた第5期科学技術基本計画には、人工知能やビッグデータ技術を積極的に利活用し、人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」の実現、さらには新しい価値に根ざした未来の産業・サービス・ビジネスの創出が謳われており、情報科学研究科の役割もますます大きくなっていくと考えられます。平成28年度からは産業界と本研究科との共働研究所も新たに始動し、さらなる飛躍に向けて情報科学研究科構成員一同、より一層努力して参ります。

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©Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan