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研究科紹介

研究科長からのメッセージ

研究科長 村田正幸


大阪大学大学院情報科学研究科は、「創設の目的と理念」に詳細を述べますように、2002年4月に、それまで大阪大学の工学研究科、基礎工学研究科、理学研究科に分散していた情報科学に関連する教育研究組織を改組・再編して創設されました。7つの専攻から構成され、情報科学技術の発展を支えるハードウェアとソフトウェア、さらに多様な情報メディアを対象としたコンテンツに至るまでを網羅し、数学的な基礎理論から先端的な応用技術に至る分野を取り扱ってまいりました。2015年には情報科学研究科棟がすべて完成し教育研究環境が整備されたことによって、教育や研究をなお一層加速させることが可能になりました。

しかし、情報科学研究科が創設されてからもうすぐ20年を迎えます。1970年に大阪大学基礎工学部に情報科学科が創設されてからは50年を迎えようとしています。情報科学技術の研究対象は、もはや「コンピュータ」だけではなくなりました。情報科学技術は電気や水のように社会基盤としてなくてはならないものになり、情報科学技術の発展によって産業社会や経済社会は劇的に変化しつつあります。また、Webやスマートフォンなどの発展によって日々の生活のすみずみまで情報科学技術は浸透し、我々のライフスタイルを変えるまでに至っています。その結果、情報科学技術はすべての学術領域と関わり合うようになり、研究科の役割も変わりつつあります。今後、情報科学技術の先進的な研究を展開するだけではなく、人を中心とする豊かな未来社会を実現するために、また、革新的な社会イノベーションを創出するために、情報科学技術を発展させていく必要があります。

そのために、情報科学研究科では、新たな学術領域の創成を目指して、既存の学問領域の枠を超え、ライフサイエンス系等他の研究領域との連携を通じた境界領域/融合領域研究を推進しています。研究科の多くの研究者が、大阪大学のデータビリティフロンティア機構、先導的学際研究機構、数理・データ科学教育研究センター (MMDS)、脳情報通信融合研究センター (CiNet)、国際医工情報センター等において、情報科学技術分野に閉じない教育研究活動に精力的に取り組んでいます。

人材育成についても、設立以来、21世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラム、博士課程教育リーディングプログラム等の制度を活用して、融合領域での先導的な研究遂行とともに、グローバルに活躍するトップリーダー人材の育成を推進してまいりました。また、「情報技術人材育成のための実践教育ネットワーク形成事業」、「成長分野を支える情報技術人材の育成拠点の形成事業」等を実施し、政府による支援終了後も自主展開を行っています。その他、博士前期課程や後期課程での海外インターンシップの実施や、英語によりすべての課程を修了可能な「インフォメーションテクノロジー英語特別プログラム」等にも取り組んできました。

世界最高水準の教育研究を推進するためには、優れた頭脳と才能を引き付け、互いに切磋琢磨できる環境を整備すること、そのなかで、情報科学技術分野で世界をリードする独創性のある卓越した基盤研究を展開しながら国際的に活躍できる人材、イノベーションの先導によって新しい産業創出を担いながら社会システムそのものの変革を促す人材を輩出すること、これらが今必要とされています。そのために、情報科学研究科ではこれまでの組織運営を見直し、特に若手研究者の国際的な研究力向上を狙った「情報科学研究科ブランド力統合向上パッケージ」を策定しました。今後、この施策をスピード感をもって実行していきます。

以上の取り組みを通じて、情報科学技術をなお一層発展させながら、多様化する現代社会の問題を克服しながら豊かな社会を実現すること、それが大阪大学大学院情報科学研究科の使命だと考えています。もちろん、これは研究科単独の活動では達成しえません。学内はもとより、社会のさまざまな領域において活動をされている方々との協働が不可欠です。そのためのご協力を是非お願いいたします。また、情報科学技術の力で新しい未来を切り拓いていきたいという志を持つ若い研究者や学生のみなさんにも、ぜひ本研究科の活動に加わっていただきたいと願っています。