産学連携活動について

産学連携総合企画室長 | 今井 正治

 大学院情報科学研究科では、平成14年の創設時より、サイバーメディアセンターと共同で産学連携を推進する組織であるIT連携フォーラムOACIS(Osaka Advanced Research Collaboration Forum for Information Science and Technology http://www.oacis.jp/)を設立し、シンポジウムや技術座談会の開催、企業との研究交流会の実施、産学連携シンポジウムの共催や出展などの産学連携活動を実施しています。ここでは、平成24年度に実施したイベントについて紹介します。

シンポジウム

 OACISの総合的な交流の場であるシンポジウムは、昨年度までに21回開催しており、今年度は第22回を平成24年7月6日に大阪大学中之島センター(大阪市北区)で、第23回を平成24年11月30日に千里阪急ホテル(豊中市)で開催しました。

 第22回シンポジウムでは「金融工学と情報通信技術」をテーマに、金融工学と情報通信技術(IT)との関わりやアルゴリズム取引など最近の新しい動向について報告されました。学外から3名の方をお招きし、日本銀行金融研究所の内田善彦氏に金融リスク管理におけるIT技術の活用について、みずほ情報総研金融技術開発部の眞柄智宏氏に金融市場分野におけるITトレンドについて、中央大学大学院国際会計研究科の石島博氏にファイナンス研究と連動したWebサービスの可能性について、ご講演いただきました。また、学内からは、金融・保険教育研究センターの大西匡光氏が金融工学とは何かについて講演しました。参加者数は70名でした。

 第23回シンポジウムではでは「イメージング技術の新展開」をテーマに、新しいイメージング技術のトレンドを俯瞰され技術事例が報告されました。学外から3名の方をお招きし、広島市立大学大学院情報科学研究科知能工学専攻の日浦慎作教授にコンピューテーショナルフォトグラフィについて、株式会社富士通研究所メディア処理システム研究所の塩原守人氏に画像認識ビジネス ~富士通が進めるビジョンソリューションのご紹介~について、浜松ホトニクス株式会社中央研究所の豊田晴義氏にインテリジェントビジョンセンサによる高速高精度計測と制御についてご講演いただきました。学内からは当研究科の谷田純教授が複眼計算イメージングについて講演しました。参加者数は73名でした。

第22回シンポジウム

第23回シンポジウム

個別技術座談会

 個別技術座談会は、OACIS活動の一つとして、特定の企業から受けたテーマに基づき、大学側のメンバーがその企業に出向き講演や討論を実施します。この企画は2009年度から開始した活動で、深い議論ができることを期待しています。今年度は、中野研究室および村田研究室が担当し、合計で66名の参加がありました。実施内容は次の通りです。

第10回個別技術座談会
「情報処理技術」

平成24年7月24日

 最新の情報処理技術に関する情報交換を行いました。それぞれの専門の立場から活発な意見交換がなされました。

第11回個別技術座談会
「Green ICT技術」

平成24年8月2日

 最新のGreen ICT技術に関する情報交換を行いました。それぞれの専門の立場から活発な意見交換がなされました。

第12回個別技術座談会
「ネットワーク技術」

平成24年11月5日

 最新のネットワーク技術に関する情報交換を行いました。それぞれの専門の立場から活発な意見交換がなされました。

OACIS講座

 OACISのサービスを充実するため、情報科学技術について講義形式で提供するOACIS講座を企画しています。平成24年度は、前期と後期に大阪大学中之島センターで実施しました。

平成24年度前期OACIS情報科学講座
「情報ネットワークの基本技術」(全6回)

(平成24年8月24日(金)、8月31日(金)、9月7日(金))

 「情報ネットワークの基本技術」をテーマとして、これから関連サービス・技術に携わる方や知識の再整理を行いたい方などを対象に講義しました。参加者数は36名でした。

平成24年度後期OACIS情報科学講座
「情報ネットワーク、ソフトウェアの最新技術展望」(全10回)

(平成24年12月7日(金)、12月14日(金)、12月21日(金)、平成25年1月11日(金)、1月18日(金))

 「情報ネットワーク、ソフトウェアの最新技術展望」をテーマとして、ネットワーク技術、ソフトウェア技術に携わる方々、この分野の知識を深めたい方、技術展望を得たい方などを対象に講義しました。参加者数は38名でした。

特許講習会

 また、知的財産権に関する基本的事項、特にソフトウェア分野に係わる事項を理解し、大学職員・院生による発明等の保護(特許取得)や研究開発成果の活用に役立てることを目的に、大阪大学・知的財産センター長の青江秀史教授を講師にお招きして平成25年2年7日に特許講習会を実施しました。参加者は23名でした。

特許講習会

知的財産に関する講義の新設

 また、平成25年度から「知的財産の基礎(情報科学を中心にして)」という講義を研究科の全専攻を対象にして開講することになりました。この講義は、知的財産センター長の青江教授を中心として、同センターの教員のご協力により実施していただけることになっています。

 以上のように、大学院情報科学研究科では積極的に産学連携活動を実施しております。今後もOACISの活動を中心に産業界との交流を深めて行きたいと考えておりますので、皆様方のご支援をよろしくお願いします。

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