組込み適塾の支援活動について

副研究科長 | 尾上 孝雄

 「組み込みソフト産業推進会議」は、関西経済連合会を中心として産官学の多くの組織が集結して、組込み産業を活性化させるためにいろいろな活動を行なっています。その教育事業の柱として「組込み適塾」があり、今回で第5回目にあたります。

 この塾では、中堅レベルの技術者を対象とした23科目の授業を設けて、中級から上級のソフトウェアアーキテクトとして必要な知識を学ぶとともに、演習課題を行い、実践的な能力を高めることを目的としています。これらを「ベース科目」、「コア科目」、「マネジメント&アドバンス科目」に分類しシステムアーキテクトを養成する講座を開講しています。さらに、これらの講座を受講済である技術者を主な対象として、「デザインリカバリ&リファクタリング」、「実践的モデル検査」、「実践的クラス設計(Android)」の実践演習コースを設けています。平成24年6月29日に入塾式を執り行い、10月19日の修了式まで、多くの受講生が自身の仕事や希望に合わせて自由な形態で修得されました。本研究科からも、井上研究科長が塾長として全体の指導とベース科目を担当するとともに、土屋教授、今井教授、武内准教授などが出講しています。

 これらに加え、昨年度から「組込みシステム実装演習講座」を本研究科で実施しています。これは、より実装技術に関わる実践的な教育カリキュラムがほしい、という要望に応えて、実際のFPGAボードを使った回路の設計やデバッグの実習を行うもので、昨年度試行を行い、今年度は「コ・デザイン実装演習(初級コース)」として実施しました。このカリキュラムは、みやぎ組込み産業振興協議会や宮城県、東北大学とも連携し、仙台でも実施し、2回の実施で計18名が参加しました。平成25年度は5月により先端的な実践コースを開講する予定で、新聞報道[1]されるなど注目されています。

 今後も「組込み適塾」やその応用演習講座等の活動を、社会貢献の一部として積極的に支援していくとともに、産学官連携の枠組みを、情報収集の場として積極的に活用していきたいと思っています。

 [1]「実装技術者の育成強化~産学官連携プロに新講座~」日刊工業新聞、平成25年4月9日

第5回 組込み適塾 修了式

コ・デザイン(初級コース)の演習風景

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