平成24年度 大阪大学大学院高度副プログラム
「IT Spiral・高度情報ネットワーク実践スペシャリスト」

コンピュータサイエンス専攻 | 井上 克郎、楠本 真二
情報ネットワーク学専攻 | 長谷川 剛

はじめに

 平成24年度に開設した、大阪大学大学院高度副プログラム「IT Spiral」及び「高度情報ネットワーク実践スペシャリスト」について、概要と平成24年度の実施状況を報告します。

大阪大学大学院高度副プログラムとは

 近年の学問分野の学際化・融合化により、幅広い分野の知識と柔軟な思考能力を持つ人材など社会において求められる人材の多様な要請に対応する取組として、教育目標にそって、一定のまとまりのある授業科目により構成され、体系的に履修することのできるプログラムです。プログラム毎に定める要件を満たすことで、所属する大学院の課程を修了(修士学位取得退学及び博士後期課程・博士課程単位取得退学を含む。)(一部のプログラムは学部の課程を卒業)する際にプログラムの修了認定証が交付されます。平成24年度は42のプログラムが開設されました。

IT Spiral(IT Specialist Program Initiative for Reality-based Advanced Learning)

受講対象者

大学院博士前期課程(主に修士1年生)

プログラムの概要および教育目標

IT Spiralは、最高水準のIT人材として求められる専門的スキルを、ソフトウェア工学に関する最新の技術から現在標準的に用いられている実践的な技術までを幅広く修得し、それらを活用して活躍できる能力と考え、そのような能力を備えた高度なソフトウェア技術者育成を目標としました。
その目標を実現するために、実践的なソフトウェア構築技術を有する民間企業4社の専門家群と、ソフトウェア工学の分野において最新の研究を進めている関西圏の9大学情報系研究科に分散している該当分野の卓越した専門家群の力を結集することにより、ソフトウェア工学分野で教育・修得すべき内容をより豊富にかつ体系的・実践的に教育課程に取り込んだ融合連携型専攻の構築を平成18年度より行っています。本年度は、6年目の実施になります。

修了要件

本融合連携専攻を修了するための要件は次の3つを全て満たした場合に、本融合連携専攻より修了証を授与致します。

・基礎ソフトウェア工学科目 2科目4単位以上

・先端ソフトウェア工学科目 2科目4単位以上

・実践ソフトウェア開発科目 全科目(3科目6単位)

また、さらにこれ以外に4単位分を余分に履修することで、高度副プログラム「IT Spiral」が認定されます。

高度情報ネットワーク実践スペシャリスト

受講対象者

大学院博士前期課程

プログラムの概要および教育目標

高度副プログラム「高度情報ネットワーク実践スペシャリスト」は、大阪大学の大学院生に対して、情報ネットワークに関する高度で実践的な教育プログラムを提供するものです。本プログラムは、高度な情報ネットワークの基盤技術やサービス技術の教育を提供し、情報ネットワーク分野における実践的なソフトウェア開発等も可能なスペシャリスト養成を目的とします。本プログラムでは、以下のような先進的なネットワーク技術に関する教育を提供します。

・超高速ネットワーク構成技術

・マルチメディアネットワーク技術

・モバイル通信プロトコル技術

・情報流通プラットフォーム技術

・ネットワークソフトウェア技術

・ネットワークプログラミング技術

・ネットワーク分析技術

なお、本プログラムは、本研究科が実施してきた大学院教育イニシアティブ「ソフトウェアデザイン工学教育プログラム」を発展させたプログラムのひとつでもあります。

修了要件

指定された授業科目より8単位以上を修得すること。ただし、専攻の修了に必要な最低単位数以外に最低4単位は、本プログラムの単位として修得する必要があります。また、「実践エンタープライズシステム開発」または「実践組込み開発」のいずれかを、および、「情報ネットワーク学演習I」または「情報ネットワーク学演習II」必ず修得すること。

平成24年度実施状況

 平成24年度は「IT Spiral]には17名、「高度情報ネットワーク実践スペシャリスト」には8名の受講者がありました。

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©Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan