情報科学研究科賞を受賞して

情報基礎数学専攻 | 菅 紀悠

 この度は、情報科学研究科賞といった名誉ある賞を頂くことができ、大変光栄に感じています。私は大阪大学理学部数学科4年次の1年間と大阪大学大学院情報科学研究科情報基礎数学専攻博士前期課程の2年間を日比研究室で過ごし、数え上げ組合せ論という分野について主に学んできました。ここではその中でも私が修士論文で取り上げたポリオミノとそのポリオミノイデアルというものについて紹介させていただこうと思います。

 ポリオミノとは、平面における連結な「セル」(すなわち、を頂点とする正方形(但し、は非負整数))の集合のことです。また、「かつであるときかつそのときに限り」といったの順序を考え、区間と定義します。区間は左下の角に、右上の角にを持つような長方形となります。区間に含まれているすべてのセルがポリオミノに属するとき、の内部区間と呼ばれます。このポリオミノの内部区間に対し、inner 2-minorと呼ばれる二項式を考えることができ、それによりポリオミノと多項式環を結び付けることができます。ポリオミノのポリオミノイデアルとはのinner 2-minorにより生成されるイデアルの頂点の集合)のことになります。私はこのポリオミノイデアルに関する研究を行いました。

 ポリオミノが単純である(すなわち、“穴”が空いていない)ときは、そのポリオミノイデアルが素イデアルとなることは既知ですが、しかしながら、ポリオミノイデアルが素イデアルであるようなポリオミノを分類する問題は、未解決の問題です。修士論文では、単純でないポリオミノのポリオミノイデアルが素イデアルとなるのはどのようなときかを研究し、長方形から長方形を除いたポリオミノのポリオミノイデアルが素イデアルとなることを証明することに成功しました。私の研究は単純でないポリオミノの一部分に言及するに留まりましたが、今後、より一般的な単純でないポリオミノについてポリオミノイデアルが素イデアルとなるのはどのようなときかを調べていき、ポリオミノイデアルが素イデアルとなるポリオミノの必要十分な条件を見つけることは興味深い問題です。

 最後になりますが、研究室での3年間はもちろんのこと、大阪大学で過ごした6年間は私にとってかけがえのないものになりました。この大学生活を情報科学研究科賞という名誉ある賞で締め括ることができ、大変光栄です。今回の受賞は日比孝之教授の熱心な御指導の賜物です。この場を借りて深く感謝申し上げます。また同研究室の鹿間章宏さん、Ayesha Asloob Qureshi特別研究員、共に研究をした同期生、後輩および御指導御支援頂いた多くの皆様にも重ねて感謝申し上げます。

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©Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan