情報流通プラットフォーム講座では、将来のインタネットアーキテクチャとして、以下の二つに着目しています。一つ目は、多様なコンテンツの自在かつ柔軟な流通を可能とする情報指向ネットワーキング(ICN : Information Centric Networking)アーキテクチャです。二つ目は、1兆個を超える膨大な数のIoT(Internet-of-Things)デバイスをモバイルインタネットに収容する経路制御アーキテクチャです。
情報セントリックネットワーキングアーキテクチャに関する研究
ICNは情報の名前を指定して情報を取得するアーキテクチャで、ビデオやセンサデータなどの多様な情報が流通する将来ネットワークに適しています。当講座では,日欧共同プロジェクトに参加し、電力消費に対して厳しい要求条件を有するビデオ配信ならびに災害時通信を、ICNをベースで提供するGreenICNアーキテクチャを検討しています。GreenICNはICNを省電力化するアーキテクチャであり、現在、第1ステップとしてネットワークの消費電力の解析フレームワークを開発しています。
GreenICNアーキテクチャの概要
大規模IoTネットワーク向けの
スケーラブルな経路制御アーキテクチャに関する研究
モバイルインタネットの普及は著しく、 2020年には世界に1兆個を超えるIoTデバイスが設置されることが予想されています。しかしながら、現在のモバイルインタネットでは、デバイスが移動しても通信を継続できるよう、アンカーと呼ばれるノードが、デバイスに割り当てた識別子を現在のアドレスに変換するマッピング表を維持しています。このため、膨大な数のIoTデバイスにより、アンカーでのマッピング表が大きくなるとともに、移動の度毎のアンカーへの位置登録の頻度も無視できなくなります。これに対して、ボトルネックとなるアンカーを不要とすることを目的として、宛先のデバイス群への経路を集約することで、経路表の状態数及び更新の通信量を削減する新しい経路制御技術を研究しています。
大規模IoT向け経路制御の概要