情報システム工学専攻
集積システム設計学講座の紹介

情報システム工学専攻 | 今井 正治、武内 良典、劉 載勲

 集積システム技術の進歩により、様々な用途に多数のコンピュータが使われるようになっています。集積システム設計学講座では、サイバー・フィジカル・システム(CPS)、IoTを実現するための「組込みシステム」の設計手法に関する研究と設計手法を活用した設計を行っています。ここでは、生体情報のセンシング、生体刺激を行うシステムの実現に向けた「生体情報センシング・生体刺激用デバイス」、特定用途向けのプロセッサ・システムを効率よく設計するための「特定応用分野向きプロセッサの設計自動化」、今後ますます高性能化が進む「組込みマルチプロセッサ」の研究について紹介します。

1. 生体情報センシング・生体刺激用デバイスに関する研究

 ICT化の進む医療・ヘルスケア分野では、生体情報の取得、生体への刺激は、今後不可欠な技術となってきます。本講座では、生体情報センシング・生体刺激用デバイスで使われる様々な要素技術を検討し、システムの低消費電力化、高性能化、高信頼度化に関する研究を進めています。具体的には、生体情報取得・生体刺激データの可逆圧縮による効率的な通信、効率的な誤り訂正法による低電力のデータ通信法などの提案を行っています。

図1:試作した生体情報
センシングノードの例

2. 特定応用分野向きプロセッサの設計自動化に関する研究

 マイクロプロセッサは、現在様々な分野で利用されています。しかしながら、高性能、低消費電力、小面積など、応用分野によりマイクロプロセッサに必要とされる制約も変わってきます。したがって、制約により、また応用分野ごとに最適なプロセッサは異なってきます。本講座では、応用分野によって最適化された特定用途向きプロセッサ(ASIP)を設計するために、コンフィギュラブル・プロセッサの自動生成手法、応用プログラム開発ツールの自動生成手法の研究を進めています。

図2:設計自動化ツールを使って設計したASIPを搭載したチップ

3. 組込みマルチプロセッサ設計手法に関する研究

 組込みシステム分野でも、アプリケーションの高機能化はとどまるところを知らず、処理システムに対し要求する性能が向上してきており、マルチプロセッサ化が進んでいます。しかしながら、CPSで利用されるシステムでは、高性能だけにとどまらず、正確なリアルタイム性、低消費電力での動作、信頼性の高い動作など、厳しい制約が求められます。本講座では、この厳しい制約を満たす必要のある組込みマルチプロセッサの設計手法について、様々な角度から研究を進めています。

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©Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan