巻頭言

 

情報科学研究科のグローバル化に向けて

研究科長  尾上 孝雄

近年、さまざまなビジネス分野における情報系人材の枯渇が叫ばれており、その不足数は、2020年に約30万人に達すると言われています。このため、情報科学分野の人材育成に対する期待は、非常に大きいものとなってきています。しかしながら、少子化の影響により我が国における18歳人口はこの25年間で40%減少し、現在は120万人前後で推移しています。さらに、2020年以降も減少が進み、2030年には101万人、2040年には80万人にまで落ち込んで行きます。

このような状況下で、我々情報科学研究科では、広い視野を持って国際的な舞台で活躍できる優秀な人材の輩出をめざし、研究科のグローバル化に関するさまざまな試みを行ってきております。平成17年度の PRIUS (Pacific Rim International UniverSity)プログラムの開始から、継続的に実施している海外インターンシップでは、博士後期課程、前期課程の区別なく単位履修ができるように整備をすすめ、環太平洋諸国の研究機関や大学を中心とした海外の環境で研鑽を積むという高い志を持った学生を支援しています。博士課程教育リーディングプログラム「ヒューマンウェア博士課程プログラム」の履修生を含めて、多くの学生が海外インターンシップを実施しています。

平成26年度からは、「インフォメーション・テクノロジー英語特別プログラム」という、博士前期課程に関しても英語のみで履修が可能となるプログラムを開始し、優秀な留学生を積極的に受け入れています。英語で開講される科目を履修することは日本人学生にとっても国際性を涵養する良い機会であり、研究科全体として有効に機能しています。本プログラムの開始以降、研究科在籍の留学生比率は大幅に上昇し、現在では、博士前期課程で約10%、博士後期課程で約20%となっています。

また、研究科のグローバル化に関して検討すべき事項が増加したことから、平成27年度から研究科内に国際化戦略企画室を設置し、執行部と国際活動に係る教員を中心としたメンバーでさまざまな案件を定期的に議論しています。

平成29年度の新しい進捗として、かねてから連携人材育成プログラムに関して協議を続けてきたマッコーリー大学(オーストラリア)との間で、平成30年1月にコチュテル(博士論文共同指導)協定を締結しました。これは、両方の博士後期課程に同時に在籍し、相手方大学にも一年間以上滞在しながら共同での研究指導を受けることで、両大学からの博士号取得をめざす、いわゆるダブルディグリー・プログラムの一種です。同様の枠組みを他の大学とも協議しており、今後多くの大学院生が本プログラムを活用して世界に羽ばたいて行くことを期待しています。

我々の社会生活において、情報科学技術の今後ますます重要度が増していくと考えられるため、これを支える卓越した人材を多数輩出できるよう、情報科学研究科教職員一同、教育研究活動に一層努力して参ります。変わらぬご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

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© Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan