巻頭言

 

新しい「時代」を拓く情報科学技術

研究科長  尾上 孝雄

まもなく平成の時代が終わろうとしています。情報科学技術が、平成の30年間で最も大きく躍進した分野であることは論を俟ちません。平成が始まった1989年、情報系の大学研究室には、ワークステーションやパソコンが共有型で導入されていましたが、まだ一般にはほとんど普及していませんでした。平成最初の10年間では、ウィンドウシステムを使うパソコン、インターネット、携帯電話が普及し、次の10年間では、ブロードバンド化・モバイル化で画像や音声などの情報リソースの重要性が一気に増大しました。この最中の平成14年4月に情報科学研究科も創設されています。平成最後の10年間は、データ駆動型科学の到来が指摘され、AI・ビッグデータ・IoTが「新たな三種の神器」として持て囃されるようになり、現在に至っています。

本年から始まる新しい「時代」では、これまで発展を遂げてきた情報科学技術を、我々の社会生活に真に活用することが望まれています。情報科学に関するコア技術を共通基盤的に捉え、他分野の産業コア技術、関連データと組み合わせて活用することで「財」「サービス」を生み出すといった、横断的・融合的な観点が重要になります。我々情報科学研究科での教育・研究も、このような活動の割合が増えてきました。

研究科創設以降、21世紀COEプログラムやグローバルCOEプログラムで一貫して推進していた「情報系と生物系との融合」を深化させる形でスタートした博士課程教育リーディングプログラム「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム」では、情報・生体・認知のダイナミクスを包括的に理解し活用できる人材の育成に努めてきております。本プログラムに係る多くの方々のご支援により、平成30年度に行われた事後評価において最高の評価を得ることができ、今後の研究科内での定着に向けて弾みがつきました。

また、研究科の多くの教員が参画するSociety 5.0 実現化研究拠点支援事業「ライフデザイン・イノベーション研究拠点」は、全国で唯一大阪大学が採択され、まさに情報科学技術で社会生活を豊かにする成果を目指して、研究推進に注力しています。研究科内では、この他にもさまざまな研究プロジェクトが進行中であり、多くの有益な成果が期待できます。

このように、今後新しい「時代」においても、社会の中の大阪大学、社会の中の情報科学研究科という使命感を強く持って、卓越した研究成果と次代を担う人材育成に邁進して参ります。関係の皆様の変わらぬご支援の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

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© Graduate School of Information Science and Technology, Osaka University, Japan