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海外インターンシップ体験記(錦織 秀)

海外インターンシップ体験記(錦織 秀)

はじめに

2016年8月11日から2016年10月10日までの2ヶ月間,シンガポールにある,シンガポール経営大学(Singapore Management University)にインターンシップで訪問しました.
ここでは,その体験について報告いたします.


シンガポール

シンガポールは,マレーシアの南端に位置する島国です.面積は719.1km2で,琵琶湖とほぼ同じ面積しかありません.
しかし教育水準が非常に高いことで知られており,OECDが公開した15歳学生の数学・科学学力ランキングで1位を取得しています.
このハイレベルな国の繁華街に位置するシンガポール経営大学は,シンガポールで3番目に創設された大学で,プレゼンテーション等社会で活躍する際に直接活用できるような実践を意識した講義が多いことが特長です.
大学内に限らずシンガポール国内もですが,非常にたくさんの民族の方が歩いており,大阪大学よりも国際色が豊かであると感じました.また8月中旬の土日は学祭が開催され,深夜2時まで出店など様々なイベントが催されていました.
また,シンガポールは犯罪発生率が日本よりも低いと言われており,治安は特に問題はありませんでした.


シンガポール経営大学

4つの公用語で書かれた注意書き看板


研修内容

私は滞在先でAssistant Prof. TAN Hwee PinkとDr. Alvin VALERAの指導の下,私の進めている研究に関して様々な議論を行いました.

私が現在行っている研究はセンサネットワークを対象としているため,同じくセンサネットワークも専門としていAssistant Prof. TAN Hwee PinkとDr. Alvin VALERAの研究室を選択しました.
このような選択をした理由は,自身の研究に深く関わる研究を行うことで,現在行っている研究をより一層深く理解できると考えたためです.
渡航してから1ヶ月は,具体的にどのような研究を行うのか議論と,研究を進めるうえで前提となる知識の習得に費やしました.Assistant Prof. TAN Hwee PinkとDr. Alvin VALERAとの議論の結果,BLE (Bluetooth Low Energy)とWiFiの共存環境におけるチャネル制御に関する研究を行うことになりました.
BLEとWiFiは図1のように,同じ周波数帯を使用しています.しかし,BLEはWiFiよりも送信電力が小さいため,WiFiのキャリアセンスでも検知されず,一方的にWiFiからの干渉を受けることがあります(図2).これを防止するためにBLEは周波数ホッピングの機能が具備されており,干渉を受けるチャネルを使い続けないように毎秒1600回のスピードでチャネルを変更しています.その上,干渉を受けると判明しているチャネルに変更することは非効率的であるため,そのようなチャネルをブラックリストに入れる機能があります.この機能をAFH (Adaptive Frequency Hopping)といい,BLEは周囲の電波状況に合わせて適応的にホッピングを行っています.
しかし,この機能は通信可能なBLEチャネルが必ず存在するという前提で成立しています.そのため,近年WiFi通信を行うデバイスの数が爆発的に増加していることから,今後どのBLEチャネルを用いても通信が出来ないという場合が発生すると考えられます.
そこで,BLEデバイスが干渉を受けた場合,周囲のWiFiデバイスに意図的にBLEのためにWiFiチャネルの使用を中止するよう要求して,BLEはそのWiFiデバイスが空けたチャネルをホッピング範囲として使用することで,BLEはWiFiとの干渉を回避して確実に通信ができるようにすることができます.渡航先の研究室で,このようなBLEとWiFiの協調的なチャネル制御手法を研究していました.

図1 BLEとWiFiの周波数


図2 BLEがWiFiから一方的に干渉を受ける例


おわりに

私にとっては今回が初めての国外体験でしたが,今回の海外インターンシップを通じて研究についてだけでなく,英語や文化面でも様々な事を学ぶことができました.
この経験を無駄にすることなく,今後の研究活動などに活かせていけるよう精進して参ります.
このような貴重な経験をさせて頂いた情報科学研究科の皆様,研究室の皆様,また現地での研究,生活を支援して頂いた皆様に深く御礼を申し上げます.