PennState 研修体験記 (佐々木 勇和)

はじめに

大阪大学の海外インターンシッププログラムで、2011 年 10 月 1 日から 2012年 2 月 29 日までの5ヶ月間、アメリカのペンシルバニア州にある Pensylvania state university(ペンシルバニア州立大学) において研修を受け る機会を頂きました。ここでは、その体験についてご報告いたします。

PennState

PennStateはアメリカでも有数の大学で私のいるキャンパスだけで40,000万人程 度の学生が在籍しています. 研究においても世界的に高く評価されており,優 秀な研究者が数多く所属しています.海外からの留学生も多く,日本人の学生 も30人程度在籍し,私のような交換留学生も多いです.また,学問だけでは なく,スポーツにも非常に力を入れており,特にアメリカンフットボールのス タジアムは北米で最大のスタジアムです. PennStateがある街は,State collegeという非常に安全な大学街で,Happy valleyと呼ばれています.週末は 飲み歩く学生でとても賑わい楽しい日々を送れました.私が滞在中にアメリカ ンフットボールのコーチの解任と死去という出来事がありました.解任の際に は暴動が起こり,なんとなく参加してみたのですが,日本では見ることのでき ない光景で,アメリカの学生のパワーを肌で感じることができました.また, 死去の際には,コーチの銅像の周りに多くの花が手向けられ,アメリカの大学 スポーツへの関心の強さを知ることができました.

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StateCollege

研修内容

私は,世界的にも著名な研究者であるWang-Chien Lee先生指導のもと研究を行 いました.私は研究室に所属するわけではなく,自身で研究を進め,週1回ミー ティングするという形で研究を進めました.とはいうものの,先生の研究室に 所属している学生とは研究においてディスカッションする機会もありました.

研究の内容は,VANETにおいてデータを効率的に目的地に届けるルーティングに ついて行いました.VANETは,車両のみで構築する一時的なネットワークで,今 後普及するであろうITSにおいて不可欠なネットワークです.同時にVANETにお けるルーティングも非常に重要な技術となっています.まず,研究を始めるに あたって,サーベイとして40本程度の論文を読むことから始めました.各論 文で書かれている手法の概要をまとめ,Lee先生と,どの点が拡張する必要があ るか,まだ手を付けられていない環境がどういうものかを議論しました.私 は,都市部における効率的なルーティングおよびカーナビなどのルート情報を 用いることに着目しました.まず,都市部におけるルーティングでは,多くの車 両が密集していることが考えられます.同時に複数の車両からパケットが転送 された際,パケット衝突が起こる可能性が高いです.VANETにおけるルーティン グでは,各車両が定期的にビーコンを交換することが一般的です.この時,す べての車がビーコンを送信しても無駄なトラヒックが発生しています.そこで 私は,ビーコンの転送を制御し,効果的な位置にいる車両のみがビーコンを送 信し,ネットワーク全体のトラヒックを削減することを考えました.また,ルー ト情報を用いる方法では,ルート情報から一定時間経過後に,どこに車両が何 台いるかを推定し,その情報をルーティングに用いることを考えました.これ らの手法について,交通シミュレータとネットワークシミュレータの両方用 い,シミュレーション実験を行う予定です.この研究成果は,国際会議に執筆 予定で現在進めています.

さらに,研究とは他に,Lee先生が行うソーシャルネットワーキングに関する授 業にも参加し,新しい知見を得ることができました.この知見を今後,ワイヤ レスセンサーネットワークに応用しようと考えています.

アメリカでの生活

私は,博士前期課程の時に1ヶ月間アメリカのミズーリ州に滞在したことがあ るのですが,今回のインターンシップで州における法律の違いを数多く感じま した.ペンシルバニア州はアルコールに関する規制が非常に厳しい州です.た とえば,アルコールを売ってる店に未成年者(21歳未満)は入店することが できません.そのため,スーパーやコンビニなどにはお酒は売っておらず,お 酒の専門店があります.また,ビールとその他のお酒(ワインやリキュールな ど)は同じ店での販売は違法らしく,なかなかめんどくさかったです.また, 街からバスで4時間程度でニューヨークまで行くこともでき,年末年始はニュー ヨークで過ごしました.こんな経験は人生で2度とできないと思います.ま た,クリスマスはホームステイをさせてもらい,本場のクリスマスパーティを 経験しました.多くの親戚が訪問し,さながら日本の正月のような感じでした.

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NewYear in New York

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ホームステイ

おわりに

インターンシップを経験して,人としても研究者としても成長することができ ました.しかし,同時に自分の能力の低さも実感することができ,今後更に, 努力する必要を感じました.また,非常に多くの友人ができ,すべての経験よ りもかけがえのないものだと思っています.

最後に、このような貴重な機会をくださった大阪大学とPennStateのスタッフの 方々、アメリカでお世話になった先生、学生、スタッフの皆様に心よりお礼申 し上げます。