教授肥後 芳樹
Higo Yoshiki
コンピュータサイエンス専攻
ソフトウェア工学講座
2006年 大阪大学 博士(情報科学)
2007年 大阪大学 大学院情報科学研究科 助教
2015年 大阪大学 大学院情報科学研究科 准教授
2022年 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授
研究テーマ
コードクローン検出
コードクローンとはソースコード中に存在する類似したコードを表します。コードクローンの存在はソフトウェアの開発や保守において悪影響を与えることがあります。例えば、コードクローンの存在を把握せずにバグ修正のためにソースコードに変更を加えた場合、変更箇所のコードクローンにも同様のバグが存在している可能性がありますが、開発者がその存在を把握しているとは限りません。もし把握していなかった場合には完全にバグを取り切ることはできずにソースコード中にバグが残り続けることになってしまいます。
このようなことから、コードクローンの検出についての研究が行われてきています。私はこれまでにコードクローン検出や検出したコードクローンの可視化の研究に取り組んできました。近年はコードクローン検出技術の評価方法についても研究を行っています。ソースコード中に存在する全てのコードクローンを検出することは現時点では不可能なため、コードクローン検出結果の再現率(検出すべきコードクローンをどの程度検出できていないか)をどのように評価するかはこの分野ににおける大きな課題であり、これについても近年取り組んでいます。
自動プログラム修正
ソフトウェア開発においてデバッグは多大な労力を必要とする作業です。
ソフトウェア開発者は50%以上の時間をデバッグに費やしているという報告もあります。
近年、デバッグ支援の技術として自動プログラム修正が大きな注目を集めています。
従来のデバッグ支援技術では、デバッグを行うのはあくまで開発者でありデバッグ支援技術はその補助的な位置づけでしたが、自動プログラム修正はバグ原因箇所の特定とその修正作業を完全に自動で行う技術です。
そのため、自動プログラム修正がうまく働けば開発者はデバッグ作業をまったく行う必要がありません。
しかしながら、自動プログラム修正の研究はまだ黎明期にあります。
現状の自動プログラム修正技術では自動修正可能なバグは限られており、自動プログラム修正によって多くのバグが修正可能となるにはまだかなりの期間を必要とするでしょう。
このことから私は、今後数年以内に自動プログラム修正技術がソフトウェア開発で飛躍的に活躍できるようになるためには、自動プログラム修正技術を推進するだけではなく、自動プログラム修正技術がバグを修正しやすいソフトウェアを人間が開発するための環境を構築することも重要だとの着想に至りました。
そこで、自動修正適合性というソフトウェアの品質の新しい概念を導入することにより、自動プログラム修正がソフトウェア開発・保守において飛躍的に活躍できる環境の構築に挑戦しています。
連絡先
E-mail: higo@ist.
TEL: S4105
4桁の番号は同キャンパス内からの内線番号です。
外線からは、S: 06-6879-xxxx、S*: 06-6105-xxxx、T: 06-6850-xxxx となります。
メールアドレスは、末尾が省略されていますので、送信前に osaka-u.ac.jp を付加してください。