概要
本フェローシップでは、情報科学研究科が主部局として推進し、リーダー人材プログラムとして非常に高い評価を得た「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム(以下「HWIP」という)」で確立したスキームを実問題解決能力の育成という観点から発展させることによって、情報、認知、生命の分野の融合研究を推進する将来のリーダー人材を育成する。本フェローシップでは、優秀な学生が学業と研究に専念できるように研究専念支援金を支給し、さらにイノベーション創発講義、インターンシップ事業、スキル評価、企業・研究機関との交流会の実施を支援する。情報科学研究科の極めて優秀な学生およびHWIP履修生を支援の対象とする。
目標
本フェローシップにより、博士(後期)課程在学中の経済的な支援と、本学との共同研究講座や協働研究所等、その他のさまざまな企業などにおけるインターンシップを通じて、博士(後期)課程学生の進路選択や企業等における博士人材へのニーズを高め、アカデミアに限らず社会での活躍の場を拡げるとともに、博士(後期)課程進学者の増加を図り、ひいては、本学における研究力の向上と、高度人材の社会への供給を通じ、社会貢献に寄与することを目的とする。
活動
本フェローシップでは、情報、認知、生命の分野の融合研究を推進する将来のリーダー人材を育成する。これにより、実社会における様々な問題を、分野横断のアイデアや情報・AI技術を駆使して解決する高度な能力を有した学生を輩出する。 本フェローシップでは、まず、HWIPにおいて確立され、効果が顕著であった以下の取組を活用する。
1. 融合研究の推進
これまでHWIPにおいて緊密な連携をとってきた情報科学研究科、基礎工学研究科、生命機能研究科の協働により、情報、認知、生命の分野の融合研究を推進する将来のリーダー人材を育成する。生命、特に脳機能や認知機能を深く理解することによって情報技術をより深化させる。HWIPのカリキュラム編成において融合分野の基礎理論・技術を教育する体制は整っており、それを活用することによって融合研究をグループワークとして実施させる。その中で、情報技術と融合領域の理論・技術を深く理解・修得し、融合分野の研究開発をリーダーとして推進する素養を有した人材を育成する。
2. アドバイザーによる研究支援体制
本フェローシップ採用者の指導教員に加えて、同じ研究科の他の教員、他研究科の教員などからアドバイザリー委員会を構成し、1年に1回程度の頻度で研究の進捗状況を確認し、今後の研究の方向性やキャリアパスなどに関するアドバイスを与える。
3. GPIスキル審査
自ら課題を設定し、グループを牽引して課題を解決できるリーダーに必要な資質をGPIスキル審査で保証する。GPIスキル検査は、能力がどのくらい向上したかを定量的に計測する検査方法である。GPIスキル審査は、少なくとも初年度と修了前に実施し、本人(学生)とその指導教員の両者が審査を行う。
4. インターンシップ
HWIPおよび情報科学研究科が連携している国際機関(大学を含む)・企業を中心に、インターンシップの参加を支援する。インターンシップを通じて、学生が学外での研究開発や業務の経験を積み、人的ネットワークを構築することを促進する。
5. 連携機関、企業との交流会
HWIPおよび情報科学研究科が連携している機関、企業と、学生の交流会を実施し、学生が学外の研究者、技術者、人事関係者などに対して研究内容を分かりやすく説明する能力を向上するとともに、人的ネットワークを構築する機会を提供する。例えば、情報科学研究科が産学連携のために推進しているIT連携フォーラム OACISのシンポジウムにおいて、研究活動を紹介するポスター発表会を実施する。
6. 起業家などの講演会
ベンチャー企業の起業家や融合研究分野の最先端で活躍している研究者・技術者を招いた講演会を実施し、講師のこれまでの活動の経験・ノウハウを学ぶとともに、イノベーション創発や起業のマインドを育成する。
さらに本フェローシップでは、HWIPにはない実問題解決能力向上のための新規の取組として、以下を実施する。これにより、融合研究を推進する能力とともに、社会的に重要な問題を情報・AI技術を駆使して解決する能力を育成する。
7. 企業関係者による実問題を解決する演習
上記のHWIPに基づく活動では、企業などが対象とする実問題を解決するための実践的な教育は、体系的に実施できていない。社会の実際の問題に対応することは、実践的な研究力、問題解決能力を有した人材の育成の観点から極めて重要である。そこで本フェローシップでは、研究科が連携している企業などから講師を招き、グループワークや個人課題として、社会や産業界の実問題を解決するための実践的な演習を実施する。
求める人材像
本フェローシップで求める人物像は、例えば次のような資質を有する学生です。
●異分野の論点を理解するための強い好奇心と理解力
●対象を多面的に捉えるための柔軟性と無邪気さ
●専門分野を超えた交流に必要なコミュニケーション力
●世界的に活躍できる国際的視野
●難しい問題に正対する勇気と、これを乗り越えるための忍耐力
支援内容 |
採用期間中、申請書・計画書に記載の研究テーマへの取組みに専念できるよう、研究専念支援金(生活費相当)の支給及び研究テーマに関する活動を行うための研究費が交付されます。 |
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採用予定数 |
13名程度 |
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採用期間 |
3年間 |
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申請資格 |
次に掲げる事項を満たす者とします。 1. 下表の本学大学院博士課程(後期課程)の研究科・専攻に2023年4月に入学予定の者、2023年4月入学選抜に出願予定の者、又は2022年10月に入学した者で、2023年4月1日時点で第1年次の者 2. 下表の本学大学院一貫制博士課程の研究科・専攻において、2023年4月1日時点で第3年次となる見込みの者(修士課程の修了に相当する要件を満たしていると認められた者に限ります。)
(注)基礎工学研究科及び生命機能研究科は、HWIPを履修する者に限ります。 ただし、次に掲げる者は申請資格に該当しません。 1. 本学、国、企業等から安定的に生活費相当額として十分な水準で、給与、役員報酬等の収入を得ていると認められる者 ※1 2. 独立行政法人日本学術振興会の特別研究員 3. 本学が実施する次世代挑戦的研究者育成プロジェクト生として研究奨励費及び研究費を受給している者 ※2 4. 留学生として外国の政府等からの奨学金を受給している者 5. 国費外国人留学生として日本政府(文部科学省)奨学金を受給している者 6. 本学が実施する奨学金等(卓越大学院プログラム、博士課程教育リーディングプログラム、理工情報系オナー大学院プログラム等)を受給している者。ただし、授業料を援助するためのものについては、この限りではありません。 ※1 生活費相当額として十分な水準とは、240万円/年とします。 ※2 本学が実施する次世代挑戦的研究者育成プロジェクトとの重複申請(2022年度予約選抜合格者含む)は可としますが、重複受給は不可となります。本フェローシップ選抜試験に合格した場合、次世代挑戦的研究者育成プロジェクトへの申請は辞退いただくことになります。 |
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申請手続 |
詳細は募集要項を確認してください。 |
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対象学生 |
令和7年度フェローシップ支給対象 | ||||||
募集要項 |
募集終了 |
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