大阪大学大学院情報科学研究科 バイオ情報工学専攻の教育目標・方針
●学位プログラム:バイオ情報工学
●授与する学位:修士・博士(情報科学、理学、工学)
教育目標
大阪大学および情報科学研究科の教育目標のもと、バイオ情報工学専攻では、生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする新しい情報科学・工学の学術領域を開拓する技術者、研究者、および、教育者等の輩出を目指しています。人工物、生物に限らずあらゆるシステムが内部での情報処理と外部との入出力を繰り返すことで大きなネットワークのダイナミックスを創り出しています。生物の行っている柔軟でロバストな情報処理を、ネットワークを構成するシステムの挙動として理解することで、耐故障性や拡張性に優れた情報システムを設計・構築する新たな情報科学技術の創出が期待できます。情報科学と生命科学の相補的循環、つまり、情報科学の立場からの生命システムの理解、および、生命システムに基づいた新しい情報科学技術を創出し、さまざまな分野への産業応用をになう技術者、研究者、および、教育者等を輩出することを目的としています。
博士前期課程
最先端かつ高度な専門性と深い学識
情報科学技術、生命科学などの関連分野、多様な応用分野において、生物の機能や、ネットワーク等の理解から応用までの最先端かつ高度な専門知識ならびに技能を持った人材の育成を目指します。
高度な教養
情報科学、生命科学などにおける関連分野、多様な応用分野の基礎となる広範な教養を持った人材の育成を目指します。
高度な国際性
国際的な視野を持って研究開発を行うためのコミュニケーション力を持った人材の育成を目指します。
高度なデザイン力
人と協働してプロジェクトを遂行できるマネジメント力および情報科学、生命科学などにおける関連分野に関わる高い倫理観を身につけ、これらの力を存分に発揮し、生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする新しい情報科学・工学に基づく技術やシステムを構想し、実現することができる高度なデザイン力をもった人材の育成に取り組んでいます。
博士後期課程
最先端かつ高度な専門性と深い学識
生物の機能や、ネットワーク等の理解から応用までの最先端かつ高度な専門知識ならびに技能を活用し、当該分野において自ら設定した課題を探求できる研究能力を持った人材の育成を目指します。
高度な教養
情報科学、生命科学などにおける関連分野、多様な応用分野の基礎となる広範な教養を持った人材の育成を目指します。
高度な国際性
国際的な視野を持って研究開発を行うためのコミュニケーション力を持った人材の育成を目指します。
高度なデザイン力
生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする新しい情報科学・工学に基づく技術やシステムを構想し、実現するにあたって、世界的な視野で技術者・研究者を先導するリーダーシップ力を駆使し、高い倫理観をもって活躍できる人材の育成を目標とします。
学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)
大阪大学および情報科学研究科のディプロマ・ポリシーのもと、博士前期課程および博士後期課程では、以下のように、体系的なコースワークにより所定の単位を修得した上で、必要な研究指導を受けて作成した学位論文を提出し、要件を満たす学生に、博士前期課程では修士(情報科学、理学、または工学)を、博士後期課程では博士(情報科学、理学、または工学)を授与します。
博士前期課程
最先端かつ高度な専門性と深い学識
・生物の機能の解明、生物に関する情報処理・解析、ネットワークの理解と解析、人間の感覚情報処理・解析のための最先端かつ高度な知識・技能を身につけている。
高度な教養
・情報科学、生命科学を専門とする職業人さらに社会人としての高い倫理観や専門性を社会で生かすための高度な教養を身につけている。
高度な国際性
・国際的な見地に立って自身の研究内容の意義を社会と照らし合わせて議論し説明するコミュニケーション能力を身につけている。
高度なデザイン力
・生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする新しい情報科学・工学の学術領域に関連する先端的研究を調査し、自らの研究を発展させるデザイン力を身に付けている。
・当該分野に関する十分な学識を有し、専攻分野の発展に貢献する研究内容を明瞭かつ平明に記述した修士学位論文を作成・提出している。
博士後期課程
最先端かつ高度な専門性と深い学識
・生物の機能の解明、生物に関する情報処理・解析、ネットワークの理解と解析、人間の感覚情報処理・解析するための先端的な知識や技能を修得している。
高度な教養
・情報科学に関連する高い倫理観や人類の幸福に資する研究開発を立案するため高度な教養を身に付けている。
高度な国際性
・独立した研究者として国際的な見地に立って自身の研究内容の意義を社会と照らし合わせて議論するコミュニケーション能力を身に付けている。
高度なデザイン力
・生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする情報科学・工学の学術領域において学理とその応用に関する重要な貢献を果たす能力を身に付けている。
・自ら設定した課題を探求できる研究能力、世界的な視野で技術者・研究者を先導し、活躍できる能力を身に付けている。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
大阪大学および情報科学研究科のカリキュラム・ポリシーのもと、博士前期課程および博士後期課程では、以下のように教育課程を編成し、ミクロからマクロまでの多様な生物の機能および生物や情報のネットワークの理解から応用までの基礎及び先端的科目を実施しています。
博士前期課程
教育課程編成の考え方
バイオ情報工学専攻の博士前期課程では、ミクロからマクロまでの多様な生物の機能および生物や情報のネットワークの理解から応用までの基礎科目を実施します。
●生物機能の解明、生物に関する情報処理・解析、ネットワークの理解と解析、人間の感覚情報処理・解析の最先端かつ高度な知識・技能を身につけるために、生物の機能を解明するための基礎的な知識や技能を修得する科目、生物に関する情報を処理し、解析する基礎的な知識や技能を修得する科目、ネットワークを理解するための基礎的な知識と技能を修得する科目、人間の感覚情報を扱い、解明するための基礎的な知識や技能を修得する科目を履修します。
●情報科学に関連する高い倫理観や人類の幸福に資する研究開発を立案する高度な教養を身に付けるために、専攻境界科目として周辺の重要分野を網羅し、情報科学の教養を身に付ける境界横断的な科目を本人の意思により選択し修得します。
●独立した研究者として国際的な見地に立って自身の研究内容の意義を、社会と照らし合わせて議論するために、国際性を涵養する英語コミュニケーション能力を身に付けるとともに、社会の多様な要請に対応した幅広い知識を修得します。産業界などの外部から講師を招いて最新の技術動向をカバーする特別講義科目、国内外の企業や研究機関へのインターンシップ科目を実施し、自らの研究の社会とのかかわりを考察・議論する力を身に付けます。
●生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする情報科学・工学の学術領域において学理とその応用に関する重要な貢献を果たすために、当該分野に関する十分な学識と研究能力を有し、当該分野の発展に貢献する研究内容を追行する能力を身に付ける研究指導を行います。
●自ら設定した課題を探求できる研究能力、世界的な視野で技術者・研究者を先導し、活躍できる能力を身に付けるために、プロジェクト型演習科目、最新の研究を調査し自身の研究に取り込む力を身につける演習科目、自身の研究の進捗を伝えるコミュニケーション能力など実践力を育てるセミナー科目を配置することによって、高度技術者・研究者としての素養を身に付けます。
学修内容及び学修方法
生物系、情報系のバックグラウンドを持った学生が両方の分野の内容を理解する能力を身に付けるため、入学後、最初にバイオ情報工学入門を実施します。講義を主体とする基礎科目や演習、セミナー科目と研究指導により、高度な技術者・研究者としての素養が身に付くように配慮するとともに、社会の多様な要請に対応した幅広い知識を修得できるようにしています。
学修成果の評価方法
シラバスに記載されている学習目標の達成度に対して、試験や課題、レポートなどの相応しい方法を用いて、厳格に評価します。
博士後期課程
教育課程編成の考え方
博士後期課程では、ミクロからマクロまでの多様な生物の機能およびネットワークの理解から応用までの先端的科目を実施します。
当該分野における最先端の科学・技術を修得できる専門科目に加え、国内外の企業や研究機関等へのインターンシップ科目などを配置し、新しい学術的価値を生み出す能力を養い、また、それを活用して新しい社会的価値を創出できる人材の育成を行っています。このような教養・デザイン力・国際性を涵養する情報科学技術に係わる高度な授業を開講するとともに研究指導を行います。
●当該分野における最先端の科学・技術を修得できる専門科目を配置し、生物の機能を解明するための基礎的な知識や技能を修得する科目、生物に関する情報を処理し、解析する先端的な知識や技能を修得、ネットワークを理解するための先端的な知識と技能を修得する科目、人間の感覚情報を扱い、解明するための先端的な知識や技能を修得する科目を通じて修得します。
●国内外の企業や研究機関等へのインターンシップ科目などを配置し、情報科学に関連する高い倫理観や人類の幸福に資する研究開発を立案するため高度な教養を身に付けます。さらに独立した研究者として国際的な見地に立って自身の研究内容の意義を社会と照らし合わせて議論するコミュニケーション能力を身に付けます。
●当該分野に関する十分な学識と研究能力を有し、当該分野の発展に貢献する研究内容を遂行し、それを活用し、高い倫理観をもって新しい社会的価値を創出できる能力を身に付ける研究指導を行い、生物を対象としたアナリシス(解析)とシンセシス(設計)を両輪とする情報科学・工学の学術領域において学理とその応用に関する重要な貢献を果たします。さらに自ら設定した課題を探求できる研究能力、世界的な視野で技術者・研究者を先導し、活躍できる能力を身に付けます。
学修内容及び学修方法
専門科目は内容に応じて、講義またはセミナー形式で実施し、新しい学術的価値を生み出す能力を養います。また、それを活用して新しい社会的価値を創出できる人材の育成を行います。また、博士前期課程・後期課程を通じて、留学生のために英語で学修できる情報科学英語特別コースを設置しています。留学生以外の学生もこのコースの科目を履修することができ、国際性を涵養することができるようにしています。
学修成果の評価方法
シラバスに記載されている学習目標の達成度に対して、試験や課題、レポートなどの相応しい方法を用いて、厳格に評価します。
また、極めて優秀な成績を修めた学生は、教授会での審議によって修業期間を短縮して修了することも可能です。