在学生の方へ講義・履修高度教育活動

大阪大学次世代AI人材育成事業
「新興・融合研究を推進するマルチスタックAI人材育成プロジェクト」

概要

本プロジェクトでは、情報科学研究科が主部局として推進し、リーダー人材プログラムとして非常に高い評価を得た「ヒューマンウェアイノベーション博士課程プログラム(以下「HWIP」という)」で長年培われてきた、徹底した融合研究に基づく教育スキームを次世代AI領域に強化するとともに、核となるAI領域だけでなく新興・融合領域を含む分野横断型の育成チームを組織します。また、優秀な学生が学業と研究に専念できるように研究奨励費と研究費を支給し、さらに次世代AI技術勉強会、イノベーション創発講義、インターンシップ事業、スキル評価、企業・研究機関との交流会の実施を支援します。HWIP履修生に加え、大阪大学の極めて優秀な学生のうち、次世代AI研究者として我が国の産業競争力強化に貢献し国際的に活躍する素養のある者を支援の対象とします。

目標

本プロジェクトにより、博士後期課程在学中の経済的な支援と、本学との共同研究講座や協働研究所等、その他のさまざまな企業などにおけるインターンシップを通じて、博士後期課程学生の進路選択や企業等における博士人材へのニーズを高め、アカデミアに限らず社会での活躍の場を拡げるとともに、博士後期課程進学者の増加を図り、ひいては、本学における研究力の向上と、高度情報人材の社会への供給を通じ、社会貢献に寄与することを目的とします。

活動

本プロジェクトでは、情報、認知、生命および新興分野のAI融合研究を推進する将来のリーダー人材を育成します。これにより、実社会における様々な問題を、分野横断のアイデアや情報・AI技術を駆使して解決する高度な能力を有した学生を輩出します。その実現のために、本プロジェクトでは以下の取組①~⑨を実施します(主に日本語で実施します)。

①AI融合研究の推進

これまでHWIPにおいて緊密な連携をとってきた情報科学研究科、基礎工学研究科および生命機能研究科に加え、本プロジェクト生の所属研究科との協働により、情報、認知、生命および新興分野のAI融合研究を推進する将来のリーダー人材を育成します。核となるAI分野に加え、生命、特に脳機能や認知機能を深く理解することによって情報技術をより深化させます。HWIPにおける、融合分野の基礎理論・技術を教育する体制やカリキュラム編成を活用することによってAI融合研究をグループワークとして実施します。その中で、情報技術と融合領域の理論・技術を深く理解・修得し、AI融合分野の研究開発をリーダーとして推進する素養を有したAI人材を育成します。

②組織横断アドバイザーによる個別の研究支援

プロジェクト支援受給者の指導教員に加え、同じ研究科の他の教員、他研究科の教員などからアドバイザリ委員会を受給者ごとに構成し、1年に1回程度の頻度で専門研究および融合研究の進捗状況を確認し、今後の研究の方向性やキャリアパスなどに関するアドバイスを提供します。また、受給者の希望に応じて自身の専門研究や融合研究の高度化を目的として、所属元の指導教員に加えてアドバイザリ委員会の教員のもとで研究活動を実施します。

③GPI(Global Principal Investigator)スキル審査による質保証

自ら課題を設定し、グループを牽引して課題を解決できるリーダーに必要な資質をGPIスキル審査で保証します。GPIスキル検査は、能力がどのくらい向上したかを定量的に計測する検査方法です。GPIスキル審査は、支援初年度から毎年11月頃に実施し、本人(学生)とその指導教員の両者が審査を行います。

④次世代AI技術勉強会による組織的な研究支援

AI技術に関する最先端情報をプロジェクト生で密に共有し、その技術動向を組織間で連携します。さらに、ヒトだけでなくAI とも協働できる人材を育成することが肝要です。プロジェクト生だけでなく、修士学生、若手教員やURA職員を交えたAI技術およびその利活用に関する勉強会を週一回の頻度で開催し、分野、組織、技術の垣根を越えた交流を推進します。

⑤データ科学に関する先進的教育プログラム

AIおよびデータ科学の双方に関して深い知識を有するマルチスタック人材を育成するために、学生の希望に応じて、本学が代表機関として参画しているデータ関連人材育成プログラム(DuEX)を通じて大学の垣根を越えた教育を提供します。DuEX は、関西地区における大学・企業・自治体の連携によりデータ関連人材育成の広域拠点を形成し、データ関連人材の輩出を起点とした産業構造の変革を実現するための先進的教育プログラムです。座学講義だけでなく、オープンデータ・企業が公開するデータを活用した問題解決型(実践型)PBLなどを提供します。

⑥高性能計算資源の提供

サイバーメディアセンター(CMC)との連携により、CMCにおいて運用している高性能計算基盤およびデータ集約基盤を提供し、大規模モデルおよびビッグデータを扱うAI研究そのものの加速を図ります。プロジェクト生から選抜された者は、学内のIoTセンサ等で得られるデータをシームレスに集約・共有でき、そのままCMCのGPU計算資源を用いてAIに関わる大規模計算を高速処理できます。これらの基盤を利用するための講習会を開催するとともに、情報科学研究科で開講している関連専門科目をプロジェクト生に提供します。

⑦インターンシップ

情報科学研究科およびHWIPが連携している国際機関(大学を含む)・企業を中心に、インターンシップの参加を支援します。インターンシップを通じて、学生が学外での研究開発や業務の経験を積み、人的ネットワークを構築することを促進します。また、社会実装力を高めるSPRING事業との連携により、プロジェクト生のなかから選抜された者が1週間程度の北米研修に参加し、自身の国際性を涵養します。

⑧連携機関、企業との交流会

情報科学研究科およびHWIPが連携している機関、企業と、学生の交流会を実施し、学生が学外の研究者、技術者、人事関係者などに対して研究内容を分かりやすく説明する能力を向上するとともに、人的ネットワークを構築する機会を提供します。例えば、情報科学研究科が産学連携のために推進しているIT連携フォーラムOACISのシンポジウムにおいて、研究活動を紹介するポスター発表会を実施します。

⑨起業家などの講演会

ベンチャー企業の起業家や融合研究分野の最先端で活躍している研究者・技術者を招いた講演会を実施し、講師のこれまでの活動の経験・ノウハウを学ぶとともに、イノベーション創発や起業のマインドを育成します。

求める人材像

AI分野およびAI分野における新興・融合領域(バイオ、材料、社会経済、生命医療など)において、最先端研究に主体的に取り組み、本事業を通じて専門分野や組織を超えた交流に積極的に従事し、将来、次世代AI研究者としてイノベーション創出や我が国の産業競争力強化に貢献することに強い意欲を持つ人材を募集します。
また、本プロジェクトでは「大阪大学男女協働推進宣言」と「大阪大学ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)推進宣言」に基づき、意欲のある女子学生の積極的な応募を歓迎します。

お問い合わせ先

boost-office@ist.

大阪大学「新興・融合研究を推進するマルチスタックAI人材育成プロジェクト」事務局
(大阪大学大学院情報科学研究科 大学院係)

〒565-0871 大阪府吹田市山田丘1番5号

メールアドレスの後ろに osaka-u.ac.jp をつけてください