研究者紹介 バイオ情報工学専攻

バイオインスパイアードネットワーキング講座

招へい准教授下野 昌宣

Shimono Masanori

バイオ情報工学専攻

バイオインスパイアードネットワーキング講座

 2009年 4月 産業技術総合研究所 ヒューマンテクノロジー研究部門
 2010年 9月 Indiana University Department of Physics Visiting Research Assistant
 2011年 4月 日本学術振興会特別研究員PD
 2013年 5月 日本学術振興会海外特別研究員
 2015年 2月 Massachusetts General Hospital, Visiting Research fellow
 2016年 4月 大阪大学 基礎工学研究科 助教
 2017年 10月 京都大学 白眉センター (特定)准教授 (受入先, 医学研究科)

研究テーマ

多スケール脳内ネットワークの体系的評価

脳は、我々の自己や自我を規定する中心に存在する組織です。自己や自我は一見シンプルそうに見えて、その実態は極めて複雑で多層的です。それを反映してか、脳は極めて非一様なネットワークアーキテクチャから構成されています。そして、その非一様なネットワークアーキテクチャの上で、電気伝搬や、化学的修飾が動的に生じて、生物の動的知覚-認知-行動が支えられています。我々は、その脳の非一様なネットワークアーキテクチャを主に、細胞のスケールと脳領域のスケールで観察し、その間を接合する研究を積み上げてきました。

最近、過去10年で細胞スケールでの数百の細胞間での因果的な相互作用ネットワーク (microconnectome) を再構成する手法を、皮質全域にまたがって適用し、脳領域間で体系的に比較しました。その際は、ネットワーク上での、各細胞が他の細胞を制御する能力に着目した分析も行いました[Kajiwara et al., PLOS Compt.Biol., 2021; Matsuda et al., eNeuro, in press]。今後、神経細胞の活動の制御方法の構築にも貢献してゆくと考えられます。

神経-脳ダイナミクスの生成

多くの脳領域間で、多細胞の動的な活動を、脳領域間で相互に生成する枠組みを提案しました [Nakajima et al., Communications Biology, in press]。その枠組みを拡張し、実験が困難なデータを生成して生み出す手法の構築と改善を行っています。

認知機能をサポートする動的情報フローの解明

脳は、私たちの日常生活を支える有機体であり、さまざまな認知機能を実現しています。その入力(刺激)と出力(行動)は常に時間の経過に従って変化します。脳内のグローバル情報フローが動的に変化すると、大きなモジュールの分割と統合、ニューロン回路の局所情報フローも同時に変化し、詳細な情報処理を行います。したがって、脳のネットワークとダイナミクスの多重スケールの表現は非常に重要です。私たちは、さまざまな意識的および無意識的な行動を適切に扱うための多重スケールのダイナミックネットワークの新しい表現と評価スキームを実現することに貢献します。

連絡先

E-mail: m-shimono@ist.

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