教授杉山 由恵
Sugiyama Yoshie
情報基礎数学専攻
応用解析学講座
2001年4月 津田塾大学 情報数理科学科 専任講師
2004年10月 津田塾大学 情報数理科学科 准教授
2011年4月 大阪市立大学 理学研究科 数学専攻/理学部 数学科 教授
2012年10月 九州大学 数理学研究院 教授
2018年4月 大阪大学 大学院情報科学研究科 教授
研究テーマ
偏微分方程式
非線形偏微分方程式論を専門としています。特に、生命現象を背景とした移流拡散方程式系を研究対象とし、関数解析的手法による数学解析に取り組んでいます。平成27年度にJST戦略的創造研究推進事業さきがけ「社会的課題の解決に向けた数学と諸分野の協働」に採択されています。以来、医学や医療工学、物理学や数値解析学の諸分野の研究者等と連携し、医療機器開発を視野に数値シミュレーションによる現象の再現・視覚化を実施しています。令和2年のJST戦略的創造研究推進事業CREST「数学・数理科学と情報科学の連携・融合による情報活用基盤の創出と社会課題解決に向けた展開」の採択を契機に、実現象を定性的・定量的に記述する数理モデルを構築に取り組む等、数学解析と数理モデル構築を両輪として研究を展開しています。
脳動脈瘤壁の脆弱部位推定に向けた “数理解析・AI解析の融合技術” の開発
脳血管疾患であるくも膜下出血の治療手法は外科的手術に限られているため、多くの患者さんは「医療介入による後遺症状発症の不安」を抱えています。当講座では「CT断層撮影/磁気共鳴画像」(以下4D-CTA/4D-MRA と略記)を用いた画像のみから、外科的手術を施すこと無しに、脳動脈瘤の脆弱部位の推定を可能にする技術を開発しています。
近年、4D-CTA/4D-MRAによる低侵襲な観察手法が樹立されています。しかしながら、医学領域における従来研究では、脳動脈瘤治療の課題解決に向けた “4D-CTA/4D-MRAデータの有益活用” には至っていません。当講座では、4D-CTA/4D-MRAデータに基づき脳動脈瘤の血管壁微小運動を微分方程式の数学問題として定式化することで、目視無しに「瘤壁性状」を推定する手法を提案しています。